院内感染防止対策資料

資料1
高齢患者ら11人死亡 21人が院内感染か 大阪・高槻
資料2
セレウス菌感染 国立がん研究センターで入院患者2人死亡、食中毒に注意
資料3
レーシック手術集団感染事件で銀座眼科医師に実刑判決
資料4
「キンバリー事件」
資料5
歯科医院(歯科治療)でエイズがうつる、C型肝炎ががうつる!Data
資料6
2013年4月1日 テレビ朝日報道
資料7
B型肝炎、C型肝炎のわが国における罹患率は減少している
資料8
感染経路別HIV感染者・AIDS患者数(2010年末現在)
資料9
須田ら:
感染症患者の診療に関する総合的研究
資料10
増田ら:
歯科口腔外科診療における労働災害防止の視点からみた患者の感染症の実態について
資料11
長尾ら:
HCVあるいはHBV感染者における歯科治療時の自己申告調査
資料12
それまでの歯科、初めての歯科を紹介なしで受診した人への質問
資料13
 
資料14
的野ら:
「生涯研修セミナー」で実施した感染症に関するアンケート調査
資料15
歯科院内感染対策の意識調査最新(報告)
資料16
針刺し事故によるウイルス感染と発症予防・治療法
資料17
歯科外来診療環境体制加算
資料18
院内感染予防対策認定医・認定歯科衛生士数(日本口腔感染症学会より)


資料1
高齢患者ら11人死亡
21人が院内感染か【大阪・高槻】

westライフ

大阪府高槻市の医療法人信愛会「新生病院」は6日、昨年1年間に21人の患者が多剤耐性緑膿(りょくのう)菌(MDRP)に感染し、うち62~92歳の入院患者11人が死亡したと発表した。病院側は院内感染を確認。「感染が直接の死因ではない」としているが、症状を悪化させた可能性があるという。感染を引き起こした原因については、口(こう)腔(くう)ケアで使用する吸引器を介した疑いが強いとしている。

病院によると、11人のうちMDRPの感染症を発症していたのは6人。大阪北部4市の医師や看護師などでつくる「北摂四医師会感染対策ネットワーク」が外部監査した結果、11人の死因は腎不全や脳出血などで、MDRP感染症が直接の死因ではないという。

昨年1月に1人のたんからMDRPの菌を発見。5月までは1カ月に0~2人程度だったが、6月だけで4人の感染が判明し、病院は7月に院内感染の可能性を認識した。病院は陽性者を隔離し、医師らに手洗いの徹底など注意喚起を行ったが感染は止まらず、9月には5人が感染した。

陽性者の病棟は分かれており、厚生労働省が院内感染の目安とする条件「1つの病棟で、4週間以内に同一菌種による感染が3例以上起こった」を満たさなかったため、公表せずに保健所などへの報告・相談にとどめたという。

持ち運び式の吸引器が原因である可能性が高いとわかったのは今年に入ってから。吸引器は、患者の口を洗浄するため歯科衛生士が複数の病棟で使っており、今月4日、チューブに付着したたんからMDRPに変化する緑膿菌が検出された。

会見で後藤研三院長は「もっと早く、吸引器が原因である可能性に思い至らなかったことは残念」と話し、「このような騒動を起こしてしまい申し訳ない」と謝罪した。

新生病院は平成8年開業。225床を備え、認知症の高齢者なども多く受け入れている。


資料2
セレウス菌感染
国立がん研究センターで入院患者2人死亡、食中毒に注意

国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)は22日、入院患者13人がセレウス菌に感染し、うち男女2人が死亡したと発表した。感染と死亡の因果関係は不明という。時事通信が伝えた。

病院によると、6月17日~今月21日、進行性のがん治療を行う入院患者13人が発熱などの症状を訴え、男女2人が今月、死亡した。7人は改善、4人は治療中で、いずれも血液中からセレウス菌が検出された。

がん研究センターによると、13人は全員が同じ病棟ではないという。一般的に、がんの治療で抗がん剤などを使うと、抵抗力が落ち、感染症にもかかりやすくなる。これまでの調査では、患者の体を拭くための未使用のタオルなどからセレウス菌が検出されたということで、病院では、院内感染とみて詳しい感染経路や死亡との因果関係について調べている。

会見した国立がんセンター中央病院の荒井保明院長は、「院内で感染が多発したことは、大変遺憾です。感染源や感染経路はまだ特定できていないが、調査を行って適切な対応をとっていきたい」と話している。


資料3
レーシック手術集団感染事件で銀座眼科医師に実刑判決

出河 雅彦(いでがわ・まさひこ)

いまからちょうど10年前の2003年12月、坂口力・厚生労働大臣が「医療事故対策緊急アピール」を出した。「医療事故の頻発は医療本来の役割に対する国民の期待や信頼を大きく傷つけるもの。最近の状況を考えると、このような状況が続けば国民の医療に対する信頼が大きく揺らぎ、取り返しのつかぬ事態に陥るのではないかと危惧する」。大学病院などで深刻な医療事故が相次ぐ中で出された異例の大臣談話は、当時の緊迫した状況をいまに伝えている。
それから10年、医療機関における医療安全の取り組みは格段に進んだようにみえる。医療事故に関する報道もかつてに比べ極端に減っている。

実刑判決

2011年9月28日、業務上過失傷害罪で起訴された医師に対する判決が東京地裁刑事16部で言い渡された。その医師は、視力回復のための屈折矯正手術である「レーシック手術」を東京・銀座の診療所「銀座眼科」で手がけていた溝口朝雄医師(判決当時、49歳)である。

溝口医師は、手術時に必要とされる細菌感染防止のための措置を怠ったとされ、銀座眼科で手術を受けた患者約70人が細菌性角膜炎などを発症した。溝口医師は、この集団感染事故の被害者のうち7人に関して業務上過失傷害罪に問われた。

東京地裁の近藤宏子裁判官は溝口医師に「禁錮2年」の実刑判決を言い渡した。医療事故をめぐり医師や歯科医師の刑事責任が追及されること自体それほど多くはない。たとえ起訴されても、実刑判決を受けることは極めてまれである。溝口医師が引き起こした集団感染事故がいかに特異なものであったかが、量刑からもうかがえる。


資料4
「キンバリー事件」

1991年9月、キンバリー・バーガリスという名の20代前半の米国人女性が車椅子で米国連邦議会の公聴会に出席し証言した。この女性は、敬虔なクリスチャンであり、性交渉の経験がなく、違法薬物の針の使い回しなどHIVに感染する要因がまったくないのにもかかわらずHIVに感染しエイズを発症した。調査の結果、キンバリーさんが通院していた歯科医院でHIVに感染したことが明らかとなった。

当時のマスコミは、車椅子に座り必死で証言するキンバリーさんの様子を中継し、全米で(あるいは全世界で)かなりセンセーショナルな事件と捉えられた。

1987年12月、当時19歳だった彼女は近所の歯科医院で治療を受け、歯科医師デイビット・アーサーから感染させられた。この時期、すでにこの歯科医師はエイズを発症していたらしく、1990年9月に死亡している。

溝口医師は、手術時に必要とされる細菌感染防止のための措置を怠ったとされ、銀座眼科で手術を受けた患者約70人が細菌性角膜炎などを発症した。溝口医師は、この集団感染事故の被害者のうち7人に関して業務上過失傷害罪に問われた。

1991年当時、HIVには有効な薬剤が存在していなかった。車椅子の生活を余儀なくされていたキンバリーさんは、HIV感染により神経系にも障害をきたしていたようである。この時点でエイズが相当進行した状態であったと言える。1991年12月8日、キンバリーさんは23歳という若さで他界した。


資料5
歯科医院(歯科治療)でエイズがうつる、C型肝炎ががうつる!

[歯科医師→患者へのHIV 感染]
Kimberly事件:
HIVに感染した歯科医師から女性患者KimberlyBergalisさんを含む6人にHIV感染
1991年に提訴

[歯科医師→患者へのHBV感染]
1987年以降報告なし

溝口医師は、手術時に必要とされる細菌感染防止のための措置を怠ったとされ、銀座眼科で手術を受けた患者約70人が細菌性角膜炎などを発症した。溝口医師は、この集団感染事故の被害者のうち7人に関して業務上過失傷害罪に問われた。

[歯科医師→患者へのHCV感染]
報告なし


資料6
2013年4月1日 テレビ朝日報道

米国オクラホマ州で、歯科医院での治療を受けた患者がHIVとC型肝炎ウイルス(以下、HCV)に院内感染していたことが明らかとなりました。

2013年3月28日、同州の保健当局は、同州タルサにあるこの歯科医院で治療を受けたおよそ7千人にHIVとHCVの検査を呼び掛けました(注1)。

HIVとHCVに感染したその人が、その歯科医院の治療で感染したことを証明するのは簡単ではないと思いますが、報道からはその詳細までは分からないものの、保健当局の綿密な調査により院内感染であることが「確定」したそうです。

報道によれば、この歯科医院では医療器具を複数の患者に使い回ししており、滅菌処置を怠っていたことが調査により明らかになっています。

世界に目を向けてみると、過去にはリビアでの集団HIV院内感染事件や、カザフスタンでの院内感染が報告されたことがあります。しかし、アメリカでの院内感染、それもその理由が「医療器具の使い回し」であることが判明したわけですから、この事件はアメリカ人にとって大変ショッキングなものでしょう。


資料7
B型肝炎、C型肝炎のわが国における罹患率は減少している

■厚生労働省(2004)
HBVキャリア率  B型肝炎母子感染防止事業
(前)0.75%→(後)0.04%
(日本全体で約150万人、100人に1人)

■中島ら:医学のあゆみ(2002)
輸血後肝炎の発症率  1960年代 50% → 0.48%

■吉澤ら:肝臓(2000)
新たなC型肝炎の感染者
一般健常者集団 10万人あたり 1.8~4.5人
(日本全体で約200万人、100人に1人)

■HIV感染症患者  累計報告者  1万人強
AIDS発症者  累計報告者  5千人強
2007年推定HIV感染者数(AIDS患者を除く)2万人


資料8
感染経路別HIV感染者・AIDS患者数(2010年末現在)

※1 両性間性的接触を含む。

※2輸血などに伴う感染例や推定される感染経路が複数ある例を含む。

※3平成11年3月31日までの病状変化によるエイズ患者報告数154件を含む。

※4「輸血凝固異常症全国調査」による2010年5月31現在の凝固因子製剤による感染者数

(資料)厚生労働エイズ動向委員会「エイズ発生動向報告」


資料9
須田ら:感染症患者の診療に関する総合的研究

(日本医学会詩 19.64-74. 2000)

全国歯学部附属病院あるいは歯科医院10施設の外来患者における感染症患者調査

対象:411,593名


資料10
増田ら:歯科口腔外科診療における労働災害防止の視点からみた患者の感染症の実態について

(日本職業・災害医学会会誌 54.268-272.2006)

関東労災病院歯科口腔外科

対象:2005年4月における受診患者 975名、処置件数延べ 1,657件

結果:感染症が把握できた患者 581名(59.6%)

処置件数の50%

感染症が把握できなかった患者 394名(40.4%)


資料11
長尾ら:HCVあるいはHBV感染者における歯科治療時の自己申告調査

(感染症詩 82.213-219. 2008)

久留米大学医学部消化器病センター

HCV.HBV感染を認識している慢性肝疾患患者の歯科受診時における病歴申告の有無

対象:
2006年10月~2007年4月 209名(HCV 162. HBV 46. HCB+HBV 1)
結果:
いつも申告する 125(59.8%)
申告したりしなかったりする 25(12.0%)
申告しない 59(28.2%)

申告しなかった理由
・基礎疾患の有無を質問されなかったから 71.2%
・歯科医院でいやがられる 11.9%
・肝疾患の罹患を知られたくなかった 10.2%

肝臓専門医による対処法の助言
全患者にスタンダードブレコーションの実施
歯科医による院内感染対策の奨励と国の適切な措置


資料12
それまでの歯科、初めての歯科を紹介なしで受診した人への質問

HIV感染についてその歯科に知らせたか?

松村崇 第22回 日本エイズ学会 2008年

■伝えられなかった
202名中161名 79.9%

■伝えられた
202名中41名 20.3%

伝えたことで診療に影響したかどうか
診療に影響なし 30名
診療に影響あり 8名
診療拒否 3名


資料13

歯科領域は感染症の頻度が高く、また歯科医療の現場では血液、唾液など患者の体液に直接触れることが多い。

院内感染の社会問題化
◦重症・難治性感染症は注目、院内感染は軽視
歯科受診患者のMRSA、HBV、HCV、HIV感染者の確実な増加
◦当時の統計では歯科医師のHCV感染者は、医師の2~3倍、抗体陽性者は医師の6倍


資料14
的野ら:「生涯研修セミナー」で実施した感染症に関するアンケート調査

(日本医師会誌 57:1085-1091. 2005)

対象:
平成15年度 全国13県から640件
結果:
◦54%の人が歯科器具で負傷(注射針、バー、ファイルなど)
◦HBV抗体保有率(陽性 49%. 陰性 34%. 不明 15%)
◦ワクチン接種で陽性 70%. 医療事故で陽性 5%
◦職員に対するワクチン接種率:はい 33%. いいえ 57%
◦手袋:常に使っている 41%. 患者ごとに交換する 46%
◦スタンダードプレコーションの必要性あり 74%

資料15
歯科院内感染対策の意識調査最新(報告)

H16年厚生労働科学研究(泉福 英信)

◦患者ごとにハンドピースを交換している:17.5%
◦メガネ、マスク、手袋を装着して治療している:31.3%
◦「ユニバーサルプリコーション」とはなにか知っているか
 ……「聞いたことがない」:46.4%
◦歯科医療従事者の感染予防対策の研修状況
 ……「受けていない、機会がなかった」:20.2%


資料16
針刺し事故によるウイルス感染と発症予防・治療法


資料17
歯科外来診療環境体制加算

1)歯科外来診療環境体制加算に関する施設基準

1.
偶発症に対する緊急時の対応、医療事故、感染症対策等の医療安全対策に係る研修を修了した常勤の歯科医師が1名以上配置されていること。
2.
歯科衛生士が1名以上配置されていること。
3.
患者にとって安心で安全な歯科医療環境の提供を行うにつき次の十分な装置・器具等を有していること。
  • 自動体外式除細動器(AED)
  • 経皮的酸素飽和度測定器(パルスオキシメーター)
  • 酸素(人工呼吸・酸素吸入用のもの)
  • 血圧計
  • 救急蘇生セット(薬剤を含む)
  • 歯科用吸引装置
4.
診療における偶発症等緊急時に円滑な対応ができるよう、別の保険医療機関との事前の連携体制が確保されていること。
5.
口腔内で使用する歯科医療機器等について、患者ごとの交換や、専用の機器を用いた洗浄・滅菌処理を徹底する等十分な感染症対策を講じていること。
6.
感染症患者に対する歯科診療について、ユニットの確保等を含めた診療体制を常時確保していること。
7.
歯科用吸引装置等により、歯科ユニット毎に歯牙の切削や義歯の調整、歯の被せ物の調整時等に飛散する細かな物質を吸収できる環境を確保していること。
8.
当該保険医療機関の見やすい場所に、緊急時における連携保険医療機関との連携方法やその対応および当該医療機関で取り組んでいる院内感染防止対策等、歯科診療に係る医療安全管理対策を実施している旨の院内掲示を行っていること。

2)届出に関する事項

歯科外来診療環境体制加算の施設基準に係る届出は、別添7の様式4を用いること。また、偶発症に対する緊急時の対応、医療事故、感染症対策等の医療安全対策に係る研修をすべて修了していることが確認できる文書を添付すること。


資料18
院内感染予防対策認定医・認定歯科衛生士数

ICD認定 平成17年~22年までに36名が認定